リハビリは、理学療法士or作業療法士の方が担当
さて、骨折の手術翌日から、すぐにリハビリが始まったことは前述のとおりです。
そこで一つ気になったことがあります。
リハビリを行う人を何気なく、先生と呼んでいる方もいるのですが、本当に「リハビリの先生」と呼んでいいのだろうかということ(どうでもいい?)
何も考えずに、先生と呼んじゃえばいいじゃん!と思わなくもないです。
ただし、自分よりも若い方が多く、呼ばれる側の療法士さんは、気恥しさを感じてはしまわないのか。
そして、療法士さんの資格は、先生と呼ばれても違和感がないのか?
そもそも、どのような資格を得てるのだろうという疑問がわいてきました。
わいてきた疑問はすぐに解消しようとばかりに、リハビリの方に資格についてをお伺いすると、理学なんとかと、作業なんとかという資格がひつようだという事を説明されました。
それとは別途、病院がリハビリテーション科を開くために必要な最低限の施設基準というものもあるそうなので、後述致しますが、まずは「リハビリ 理学 作業」でググりました、私。
共通するのは、リハビリを行うという事と、厚生労働省管轄の国家資格であるという事。
私の入院した整形外科では、理学療法士も作業療法士も、7:3の割合で数名ずついらっしゃいました。一見すると服装に違いはもなく(病院によって違うのかもしれませんが)理学療法士さんと作業療法士さんを見た目で判別することはできませんでした。
リハビリテーションルームに行ってリハビリを行った際に、他の入院患者さんへリハビリを行っている様子を見てみても、特に理学療法士さんと作業療法士さんが行っているリハビリに大きな隔たりは感じなかったという事もあり、「何が違うのだろう・・・」と、リハビリルーム内の様子をみるという感じになりました。
リハビリを行うようになって数日したある日のこと、 理学療法士さんと、作業療法士さんの決定的な違いを発見するぞ!と息巻いていた(←そうでもないけど)私の眼前で、その出来事は行ったのです。
なんと、リハビリルームの端の方にあるコンロで、ご高齢のご婦人が、フライパンを使い、ピーマンやらなんやら、野菜を炒めているではありませんか。
「あれもリハビリの一環なんですか?」と、私のリハビリ担当のMさんに伺ったところ、『退院してから、家庭で行うべき家事の練習をしている』とのこと。
これは、理学療法士か、作業療法士か、どちらかの資格をお持ちの方の担当なのではないか!と思ったのでした。
理学療法士さんに、作業療法士さんとの違いについてを尋ねる
それでは、理学療法士と、作業療法士はどのような違いがあるのでしょうか?
手っ取り早く、私のリハビリ担当Mさんにお伺いすると次のような答えが返ってきました。
「ほとんど違いはありませんよ」
→それ、あんまり考えて返答してないでしょ!
それでは記事にし辛いので、もっと明確な回答をいただこうと、Mさんが休みの日に僕のリハビリを担当して下さるHさんにもお伺いしてみました。
「ん~~、どういう風に違うか確固たる違いはないですね~」とのこと。
ん?どういうこと???
という疑問が広がるのみになったので、根掘り葉掘り聞いてみることにしました。
Q.作業療法士と、理学療法士ができるリハビリの内容は違うのか?
→A.大差はない。※うちの病院だけかもしれないけど
Q.Hさんが理学療法士になろうとしたときに、作業療法士の道は考えなかったのか?
→A.そもそも作業療法士という職業を知らなかった。リハビリ=理学療法士だと思っていた。
Q.理学療法士・作業療法士になるためには何が必要なの?
→ A.資格が必要で、大学・短大・専門学校へ行き、3年以上の修学をしなければならない。
また、国家資格なので、国家試験で資格を取得する必要もある。
Q.学校に入ってから、理学療法士になるか、作業療法士になるか選択することはできるのか?
→ A.理学療法士か作業療法士は、学校に入る前に選択する必要がある。
学科を変更するように、学校に入ってから選択することはできない。
Q.理学療法士・作業療法士、それぞれを目指して、学校に入り学ぶという事だが、決定的な修学する内容に決定的な違いはあるのか?
→ A.両者の違いにそこまで詳しくないが、解剖学などかなりの面で同じ内容を修学するはずである。
あまり大きな違いが生じないからこそ、同じ空間で同じようにリハビリしてるのではないか。
Q.理学療法士の人が、作業療法士を目指した場合、試験を受けるだけで資格が取れたりするのか?
→ A.3年通わなければいけないという修学期間が2年に短縮される。
ふむふむ、問うことは、多くの人は高校卒業時に、理学療法士もしくは作業療法士のどちらかの道をを選ばなければならないのですね。
資格を取得するまでの単位(3年以上の修学)は同等であり、取得する知識も似通ったものであるとのことですが、この二種類の資格、どちらかを取得しようとする判断は、何を元にしなければならないのでしょうか・・・。
解剖学や研修など、ほとんどの知識を共有するからこそ、 大学・短大・専門学校に行きながら、どちらの道に進めるかを選べるようになればいいのになぁと勝手ながら思いました。
理学療法士と、作業療法士の違いについて
結局のところ、理学療法士と作業療法士の違いについてあまりよく分かりませんでした。
というわけで補足としてググってみました。
理学療法士・作業療法士ともに、病気や事故などで、身体能力が低下した患者さんに対して、機能の改善・修復を目的としてリハビリテーションを行うことが前提となるようです。
ただし、そのアプローチの方法や、ゴール地点が多少異なるというのが、私の受けた印象でした。
理学療法士のお仕事について
・理学療法士は物理的かつ運動的な方法によって身体機能の回復や、基本動作を担当し、 単純運動によって主に体幹や運動機能のリハビリを行う。
作業療法士のお仕事について
・作業療法士は、身体的なリハビリと精神的なリハビリのどちらも行い、応用動作を担当。 家事や趣味活動の動作を取り入れて日常生活の精度向上を目指す。
というわけで、数行前に書いていたご高齢のご婦人が、料理を作っていたというところにつながるのですが、作業療法士さんには「リハビリに日常作業で使う道具(調理器具など)を使用しながら、生活に沿ったリハビリをする」という違いがあるのこと。
私の入院した病院では、理学療法士と作業療法士の違いは、そのくらいの差異くらいしか探すことができませんでした。
理学療法士の裏話
これは漏れ聞いた話です。
実は、理学療法士の年収は、十年前と比べるかなりの差が生じているそうです。
年収が大きく下がってしまった理由としては、診療報酬点数が減ってしまったことが要因とのことです。
患者一人から入ってくる報酬も下がり、並行して理学療法士の人数が増えてきたことにより、病院側が採用する際に支払いをするべき人件費の平均値も下がってきてしまったんだそう。
今は、全盛時の半分以下の年収が平均になってしまっているそうで、これから先、どんどん下がってくるかもしれないという感想を漏らしている理学療法士さんがいらっしゃいました。
リハビリテーション科を設置する際に、設備基準が設けられているという事も聞きました。
リハビリができる広さがあることや、器具・機器をそろえられることと、作業療法士・理学療法士など資格を得た人を数名そろえなければならないそうです。
ほとんど使わない機材・器具でも、買いそろえておかないとリハビリテーション科が設置できないという事だったのですが、それもかなり高額になるという事でした・・。
ちなみに海外(主にアメリカ)の理学療法では、理学療法士が医師と同等の知識と権限を得ているらしく、どのようにリハビリを行うか、果ては薬の処方までできるというように、理学療法士が決定権を得ているという事でした。
日本では、病院によっては、医師の言うとおりにしか、患部を動かしてはいけないというリハビリ科もあるらしく、入院する病院によって、術後の経過が大きく異なるそうです。
最後に、この理学療法士・作業療法士の仕事の違いについて調べているときに、日本理学療法士協会のホームページに、「理学療法士を名乗ってのSNS発信情報への注意喚起」という記事が掲載されていたので、リンクを張らせていただきましたことをここにご報告いたします。