様々な人が入院している病院は、動物園そのもの?
入院後、規則正しい生活が続いています。
ご飯は三食、夜九時に消灯し、朝6時に起床。
リハビリという適度な運動を行い、栄養も管理されているというこの状況。
喫煙者ではないので、禁煙だという事には特に何も思うことはないのですが、お酒を呑むという事も一切ないため、体は健康そのもの・・・のはずなのに、この状況下においても、人が存在すれば問題も生じるという事が多々あるのです。
そして夜はぐっすり眠ることができません。
夜、女性のすすり泣く声と共に、「助けて―!」だの「痛いよー」だの言う声や、「おーい!!」と叫ぶ声。
それらはすべて、病院の怖い話でもなんでもなくて、生きている人間による奇声や叫び声なのです。
今回は、入院中に生じたトラブルや、困ったちゃんの生態調査報告結果をUPさせていただきたいと思います。
整形外科でも、入院患者さんはご高齢の方が多い
私が入院している病院は、神奈川県相模原市にある整形外科です。
割と最近、政令指定都市になったため、急激な人口増加があったような地域です。
ただ、人口における高齢者の割合が多くなっている分、人口増のある地域でもかなりのお年寄りが居住されているというのはご想像の通りです。
骨がもろくなる骨粗しょう症を患ってらっしゃる方のほとんどが高齢の女性です。
カルシウムの吸収が悪くなったり、女性ホルモンの分泌現象が理由にあるらしいのですが、この病院でも入院患者さんの9割近くが女性であり、その9割の女性のうち、8割程度が高齢者~後期高齢者にあたる方です。
早い話が、後期高齢者の方のほとんどが、要介護高齢者の方で、何かしらの理由で転倒されると、骨折まで発展するケースが多く、救急で運ばれてくるのです。
そして中には、この病院に何度も何度も運ばれてくる強者もおられます。
看護師の皆さんは、退院患者さんをお見送りするときに、「もう来ないようにね!」と笑顔で送り出しているのですが、冗談ではなく「また怪我をして、戻ってこないように気を付けて過ごしてほしい」という祈りを込めて送り出してらっしゃるのではないでしょうか。
ストレスフルな入院生活 入院患者さんが起こすトラブル
様々な性格、症状をもって入院している人がいるため、人数の多い大部屋では色々なストレスが生じます。若年層の方は、良くも悪くも入院患者同士でコミュニケーションをとらないため、ほとんど軋轢は生じませんでしたが、整形外科の入院患者は殆どが高齢者で、なおかつ自己主張の激しい方が多いため同部屋であることに苦痛を感じるシーンがかなりありました。
そして、厄介なことに同部屋以外の奇声や、叫び声もかなりの大きさで届いてくるのです。
認知症の方などは、昼夜逆転するという生活リズムにもなりやすいという事なので、通常の生活リズムをとっている方と同じ生活空間でいることには、無理が生じてきてしまうのもしょうがないでしょう。
以下、トラブル・ストレス・イライラ なんとでも言い換えられるような内容のものがいくつも出てきたので、列挙していきたいと思います。
病室で電話を受け、大声で話す。
これに関してはベッド上で動けない方もおられたため、仕方ない範囲もあるのですが、歩ける人でも同じく、この対応を取られていたのには、辟易しました。
「今、病室だから移動するね」なり、なんなりの対応をとって、速やかに部屋から出て通話エリアで電話をかけなおすという対応を取ってほしいなと。
セクハラ発言。
ベテランの看護士さんであれば、いなして話を終わらせたり、笑って終わらせたりします。
しかし、すべての看護師さんがそういうわけではなく、若い看護士さんにも同じようなテンションでセクハラになる発言を普通にしているということが多々ありました。
患者だからといって、なんでも許されるわけではありませんよ!
できるのにやらない。
これは、高齢者の方に多く見られました。
体拭き、着替え、トイレ、果ては布団をかけてもらうなど、自分でも出来ることを、ナースコールを連打するものだから、ベテランの看護師さんが怒り始めるので、そのうち頼みやすい若い看護士さんをみつけてお願いするようになります。
テレビはイヤホンで。
テレビは、イヤホンをつけて視聴しましょう。
聞こえづらいから!とイヤホンをとってテレビを見るなんて、言語道断です。
「イヤホンが壊れたかと思って」って、それ、イヤホンジャックから外れてるだけですよ!
夜寝る前に寝すぎる。
日中にかなり充分な睡眠をとってしまうため就寝後に、全く眠れなくなってしまうということを毎日のように繰り返し、睡眠導入剤をもらうも、睡眠のとりすぎで目が冴えてしまっている状態ではさほど効果がなさそうでした。
眠れなくなるとナースコールを連打。
「トイレ行きたい」「眠りそびれちゃった」「痛みで眠れない」と、意味不明な申告。
そしてそういう人に限って、耳が遠いものだから、看護師さんが患者さんと話すときの声量が大きくなり、起こされてしまう人も続出です。
叫ぶ。音を出す。
眠れないことから派生するイベントです。
テレビのリモコンをベッドにたたきつけ、「おーい!!!」←一晩中
消灯後に、「暗くしないでよー!!ねー!!!助けてよー!!!」←一晩中
ナースコール連打「トイレ行きたい」←五分おき
周囲の眠りを妨げるということを全く考えてないし、日中はその分、じっくり寝る。
日中は、全く痛いそぶりもなく、普通に大いびきをかいて寝ているのに、いざ夜眠れないとなると、「痛い・痛い・痛い」「眠れない、辛い」という独り言を部屋中聞こえる声で繰り返す。
・・・昼間寝てるときに、何度起こそうと思ったことか。
退院を延ばす。
主治医がもう大丈夫だと言っているにもかかわらず、家に帰ると、動いてしまうから痛みが生じるのが怖いと、退院日を延ばしてもらうように交渉する。
挙句、一時帰宅(外泊)をして、入院中は禁止となっている酒・タバコを呑む・吸うして帰ってきて、痛みが出てきたとのたまう。
好き勝手やりたいんだったら、主治医も言っているように退院したらいいのに・・・。
基本的に自分本位・自己中心的。
周囲と協調性を持たず、話もせず、自分が良ければそれでいい。
ナースコールを押され、どうしようかと対応を考えている看護師さんに向かって、「そんな奴放っておけばいいんだよ!」と怒鳴る。
都合が悪くなると聞こえないふりをする。
自分に優しくない気に入らない看護師さんが来ると、用事を忘れてしまったと惚ける。
外に出てはだめといわれているのに、勝手に外に出て問題となる。
そして、看護師さんにお願いしたものが少しでも自分が所望した形と違うと、怒り始める。
ルールを守らず、自分本位で癇癪を起こす。
他の重症度が高い患者さんの対応のために公共スペースの配置を変えると、それに対して文句を言い、こんなじゃなかったじゃない!といつまでも怒りを納めない。
というような状態で、上記のほぼ全ての内容は、ご高齢の方案件です。
入院患者さんの9割弱がご高齢の方なので、自然とトラブルもご高齢の方に限られてしまうのでしょうが、言い分が正しいことがあまりないというのも特徴の一つです。
看護師さんたちは、看護というよりも介護しているという状態です。
看護師さん 内緒にしていない声量で聞こえてくるけどそれ内緒話でしょ?
看護師(准看護師・看護助手)さん達も溜まっているようです。
そう、それそれ、ストレスですよね。
本来、OLさんが給湯室や、お手洗いで話すような会話を、患者さんの部屋で話しているものだから、病院の裏事情もやたらと聞こえてきてしまいます。
それ、あまり患者さんが聞こえるところで話さない方がいいのでは?
でも、ご高齢かつ耳の遠い方が多くいらっしゃる現場だからこそ、油断しちゃうのでしょうね。
あんまりディープな内容ではないものを列挙しておきますが、さほど、通常の仕事と大差のない愚痴も多かったですね。
・昼間にリハビリでもやってないものを夜中にやらせる理由がどこにあるの?
→ 後期高齢者さんが、自宅に帰った際に、家で使う簡易トイレを病院内で練習させたいという事らしいのですが、昼間にやっていないものを夜にやらせるという、何とも意味の分からないことだったようです。
・主任が遅刻ばっかりしてくるのに、科長がかばってる。やめてほしくないにしてもあからさまだね!
→ 私たちが遅刻したら大変なのに、なんで主任は起こられないの?しかも科長との庇い合いも、やめてほしくないからっていう理由があからさますぎ!という事のようです。
・患者さんへの注意の仕方がひどい!あんな言い方をしなくてもいいのに!
→ 入院患者さんへ、そんなんじゃいつまでたっても退院できないで、ベッドに根が生えますよという内容の注意をした科長さんへの愚痴。なんか、科長さんが言う事をすべて反発してるようにも思えますが・・・
・回復期リハビリ病棟への移動の基準が全く分からない!
→ 一般病棟から、回復期リハビリテーション病棟への移動なのですが、基準が設けられているわけではなく、管理職の方々の一存なんだそう。
全く自分で動けない人でも、移動させたこともあるそうで、それはよくわからないですよね。
・夜勤もやったことがないのに、夜勤に口出しすんな!
→ 夜になって、状態や性格が変わる患者さんも多くいらっしゃいます。
昼間ならできることでも夜になるとできなくなるという方も珍しくなく、そういう方をなぜ、対応できないんだという事を言われるとそれは腹が立つかもしれませんね。
という事で、今回はここまでにしておきましょう。
また、入院中になにかあれば、足していくことがあるかもしれませんが・・・(^▽^)