夏休みに家族で出かけたトランポリン
今年の夏休みは、太く短く、集中して楽しく過ごそう!
そのような和気藹々としたファミリーコンセプトを掲げた夏休み。
その楽しいはずの夏休みは最終ブロックを迎えていました。
自宅から一時間ほど車を走らせ、家族でトランポリンにでかけ、ひと汗流した後、温泉に行って帰ってくるという予定が、まさかの事態に。
忘れることができなくなった2019年の夏休み
2019年の夏は、一度にまとまった休みが取れず、二連休して二出勤、二連休して二出勤して二連休 というシフトを組んでいました。
二回目の二連休までが平穏無事に終わり、楽しいお出かけも残りの二連休を残すのみとなりましたが、最終ブロックとなった最後の二連休初日に、思いつきで行ったトランポリンが、すべての悪夢のはじまりでした。
いまさらながら振り返って反省してみると、悪夢に結び付くような様々な要素が混じり込んでいました。たとえて言うならば、深夜のテンションで、ファミレスの飲みホーダイのジュースを全部混ぜて、美味しくないミックスジュースを作り出してしまったような状態とでもいうのでしょうか。(この例え要るかな。。。)
悪夢の要素.1
その日は当初、妻とは大山登山に行ったあと、温泉に入って帰ってくるという予定にしていたにも関わらず、私が衝動的に行きたいという理由で、子供に「今日、トランポリン行く?」と聞いたこと。
悪夢の要素.2
会社の人たちに、私がトランポリンで宙返りを何度も何度も繰り返している動画をみせて、「レディバさん、パネェ!」と、もてはやされてちょっと天狗になってしまっていたこと。
悪夢の要素.3
実父に、「トランポリンの選手は、ジャンプしても着地が前後せず、全部中央で着地して次の技をやるのに、まだまだだな」とあおられて、特にトランポリンの選手でもないのに、『次は完璧な演技をみせてやんよ!』と、息巻いていたこと。
悪夢の要素.4
Youtubeで、連続で回る宙返りをしている人をみて、「この技やったらかっこいいな!真似しよう」と、ろくに練習も重ねず、体操部として運動していた中学生のころから数えて、27年たった後に、数回のトランポリンで感覚を取り戻していたと錯覚していたこと。そして、自分はもっとできると思ってしまったこと。
悪夢の要素.5
これは、極めつけというよりは、たまたまそういう厄回りだったのですが、前厄であったということ。
トランポリンへのお出かけ。
その日は土曜日ということもあり、結構賑わいを見せていたトランポリン施設。
運営は、体操経験者・トランポリン経験者の方が行っており、経験者は宙返りなどの技の制限はないという場所でした。
すでに2回、経験をしていたため、物知り顔で「いつもの」というような雰囲気を醸し出し、入場する私。妻は見学、娘は体育で行うような小技の練習を行っていました。
込み合う土曜日は、おおよそ、1時間の時間制限があり、入った時間が11時30分前後だったため、終了時間は12時30分くらい。11時を幾らか過ぎ、もうあと少しで終わりだな~と思っているときに、今日の収穫となるような動画をとれていないことに軽い焦りを感じていました。
それまでにとった動画は、その前にとった動画と大差がなく、たいしてインパクトのあるものではなかったのです。
そして、あの悪夢のひと時は訪れました。
どうしてそういう生活になってしまったのか。
私は動画をとって、人気者になりたかったのでしょう。
動画撮影を娘に託し、自分なりの技の構成を考えて、飛び始めました。
数回、ジャンプを繰り返し、伸身の宙返りを一回。
いつもならここで、ワンクッション入れるはずが、自分の脳裏に、Youtubeの動画とみんなにスゲーといわれる映像が浮かんできました。
空中姿勢が少し、ずれた気がして、ちょっとの不安と恐怖が頭をよぎったものの、飛んでしまえばどうにかなるさと、強引に技に持って行ってしまったことが悪夢の始まりでした。
すべてが収縮したその瞬間、体の中を「バキッ!!!」という音が駆けめぐり、そのまま倒れたのです。
そして、強烈に襲いかかってくる激痛。これは一度経験して、二度と経験をしたくないと思った激痛そのものでした。
「マジかよ!」と頭の中で絶叫しながら、スネをさわると、普段そこにあるはずの骨がなく、明らかに凹んでいることが瞭然となっていました。
折れてる
間違いなく、折れていました。
唯一の救いは、解放骨折ではなかったということだけ。
骨は皮膚を突き破ってはいない。
ただし、そんなことはすぐにどうでもよくなり、これまで積み上げてきた全てが無に帰す様な気持ちと、とどめを刺して欲しいくらいの激痛が間断無く襲ってきました。
とにかく、少しでも痛みを和らげる姿勢がないかと思い、自分の力ではどうしようもなかったのですが、足首と膝を持ち、骨を引っ張ってみると本当に多少、100あった痛みが98くらいには和らぐ瞬間がありました。
しかし、倒れた場所はトランポリン上・・・。誰かが近寄ればすぐに振動が伝わり、激痛がさらに襲って来るという無限地獄がやってくるのです。
「とにかくトランポリンの上からいどうしてもらわないと・・・」という店員さんに言われるも、誰に触られても痛みが倍増するという状況でした。
様子をうかがいに来るスタッフ。どうしましょう?という声を聞いたので、1も2もなく、「骨折したから救急車を呼んでください!」と、お願いをするのみでした。
激しい痛みの中で、頭の中をぐるぐる回るのは、超弩級の後悔と、これから楽しみにしてたイベントと、仕事、そして入院するかもしれない、手術になるかもしれないという不安。
自分を責めに責め、その場にいた家族にも本当に申し訳ない気持ちがぐるぐる。もう二度とこんなことをしないので、どうか時間を巻き戻して欲しいという願いも虚しく、すべては既に起きてしまったのでありました。