もう一日寝ると、お正月ならぬ、手術の日
紆余曲折あって・・・というと大変なことがあったのかと思われてしまいますが、大変なこともありました。
・ベッドから全く、地面に脚をつくこともなく10日間過ごしたこと。
・10日間お風呂に入れなかったこと。
・トイレは、尿瓶とオムツまたは差し込み便器と言われるちり取りのような形をした便器で行っていたこと。
・手術をしたら治るという雰囲気で、体を動かされ、痛みが生じるようになってしまったこと。
・それから痛み止めとお友達になってしまい、胃薬とも離れられなくなったこと。
・暑さ、寒さでなかなか寝付けない、または起きてしまう。
・一人煩いおじいさんがいて、眠りを妨げられた。
・踵に穴をあけて、6キロの重りで牽引を8日間(手術の日まで換算すると9日間)
・体の清拭(せいしき)で、下半身の洗浄をしていただいたところ、ベッドが洪水になり、後始末が適当だったこと。
もはや愚痴レベルになってきてしまい、いくらでもかけそうだったので辞めますが、そんなこんなで過ごしているうちに、ようやく手術の前日になりました。
同病室にいらっしゃる他5名の方々は、すでに手術を終えたり、手術が不要な方々でしたので、当メンバーの中では最後のオペ患者でした。
みんなが余裕そうな話をしている中で、私も手術を簡単に考えていました。
しかし、いきなり看護科長がやってきて、おもむろに私にこう告げるのです。
「明日の手術、術後に何が起こるかがわからないため、術後は一旦、個室に移動してもらうのが最善だと思います。ナースステーションの横に位置する部屋にあたるため、何かあったらすぐに駆け付けられるので、より安心だと思います。」と、同意書をもってやってきました。
何やら不穏な空気が生じましたが、「何事もなければすぐに、大部屋に戻ってこられる」という事もおっしゃっていたし、何より、先に手術をされたOさんも、同じく術後は個室に移動して様子を見ていたことから、私も妻に報告して、同意書にサインを致しました。
そう、それがすべての始まりだという事は、その時知る由もなかったのです・・・。
オペを翌日に控えた前日に、気になったことは聞くことにしました。
手術室担の看護師さんが手術についての説明をしてくださりに来ました。
貴金属、指輪、眼鏡、コンタクト、時計等々、身に着けることはできないこと。
入れ歯もNG。
アルコールにかぶれはないか、顎関節症じゃないか、抜けかかっている歯はないかなどを事細かにチェックしていました。
また手術を行うに際して、下半身麻酔を背中からブロック注射し、そのうえで睡眠をさせるための麻酔を点滴から導入するという説明を受けました。
術後は、覚醒をした状態で病室に戻すとのことでした。その一連の説明をしたうえで、何か不安なことはないかというお伺いをいただいたので、私から不安に思っていることは以下のことだと伝えました。
Q.せっかく育てたすね毛だがメスを入れる前に剃るのか?
→A.手術部位のみ剃らせていただきます。
どうせなら、両足とも剃ってほしいのだが難しいか?
→手術が終わり、退院してからご自身でどうぞ。
・・・当然ですね。
Q.手術中、BGMが流れているという噂を聞いたのだけれど、当日はどんなBGMが流れるのか?
→A.執刀医により異なるが、だいたいは、FMヨコハマが流れている。
希望のBGMを流してもらうことは可能か?
→可能であり、リクエストをもらえれば流すことができる。
どういう人が希望しているのか?
→小さいお子さんなどが、アニメの歌にすることがある。
・・・なるほどね!
さて、おふざけはここまでにして、私が心配だったのは、以下です。
Q.足は牽引したまま、手術室に移動するのか?
→A.その通りだが、ストレッチャーに身を移して移動するため、牽引用の滑車は人の手で持ち運びをする。そのため、揺れて痛いかもしれない。
Q.下半身麻酔をするときは、背中からブロック注射を打つため横を向くということだが、いまでも動くと足がバキバキと音を立てて激痛が走るので、痛みが怖い。
→A.麻酔科医の先生に話をしておくが、もしかしたらブロック注射するまえに痛み止めができるかもしれない。
以上が、手術前に聞いてみた質問です。
ふざけていることにも笑顔で答えて下さり、初見の看護師さんでしたが、一応は関係性を築けたように思います。(勘違い)
上記のように、質問にちゃんと回答をしてもらえて、とても安心しました。手術室担当の看護師さんからの説明は以上でした。
次に病室付きの看護師さんからの説明です。
1.ご飯は手術前日の夕飯まで(18:15頃に配膳)お水は、夕飯後21時まで。
2.前日中に便が出ていなければ、下剤や浣腸で腸内に溜まった便を排便しておく必要がある。
3.手術中の麻酔や、術後の抗生剤の点滴用に、手術の朝に点滴を打つ。
4.手術当日は、手術前は一切水はとることができず、術後も、19時くらいまで、水が飲めない。
ご飯は食べることができない。
5.術後、痛みが生じたら我慢しないですぐナロンエース・・・じゃなくて、ナースコールをして、痛み止めをもらうように。
6.今日(手術前日)、緊張して眠れないようであれば、睡眠導入剤を処方するので、気兼ねなくいってほしい。
7.手術時は、T字帯を着用しなければならない、清潔なものがあれば、預けておいてほしい。
手術前の説明はおおむね、以上のようなものでした。
私自身、術後に痛みが生じることはあまり考えていなかったため(←甘い認識)、特に、緊張するでもなく、なんとなく前日ということも気にならずに、その日就寝することができたのは僥倖でした。
ただし、同部屋にいるおじいちゃんが、眠れないだのなんだのでナースコールを連発して、何度か起こされるという安定のイベントが生じていたことはいつものことなので、特筆すべきことではありませんでした。